受験勉強レポート

S.M(豊島岡女子学園高校 2012年卒)
高2の夏から巖丈志摩にお世話になり、第一志望の東大理一に合格することができましたSです。稚拙な文章ですが、この体験記が受験生のみなさんの役に少しでも立ててもらえれば幸いです。


●受験結果
東京大学 理科一類 合格
慶応義塾大学 理工学部学問4 合格
早稲田大学 創造理工学部総合機械工学科 合格
防衛医科大学校 合格
東京理科大学 工学部機械工学科 合格


●巖丈志摩に来るまで
巖丈志摩に通っている同級生のお母さんからの紹介でこの塾を知りました。私は中学受験のときの塾も大手ではなかったので、大手には抵抗があり、また少人数制の方がひとりひとりよく見てくれるだろうと思ってこの塾に入塾しました。家から近いというのも入塾理由のひとつです。
最初はスリッパやらパイプ椅子やらでっかい植物やらに驚き、まりさんが料理を生徒に振舞っているのを見て驚き、などなど(笑)、そこらへんの塾ではたぶんないだろうことが巖丈志摩にはたくさんあるので「えっ!?」と思うこともありましたが、徐々に慣れていきました。
各教科ほぼ1人ずつしか先生がいないのは初めは不安でしたが、巖丈の先生方は、とってもいい先生ばかりで不安はすぐなくなりました。ただ1つ欠点があるとすれば、英語以外の先生は大体週1でしかいらっしゃらないので、質問したいと思っても1週間待たなければならないことが、たまにあることくらいです。

●勉強について
<高2>
高2の間は基本的に学校中心の生活で、学校の小テスト・定期テストを中心に勉強していました。このころ一番勉強していた教科は英語です。単語、構文、文法などを中心に勉強し、長文は定期テストの範囲の英文と、浅野先生の授業のプリントをやりました。数学は長澤先生から冬くらいにモキモキが配られたので、冬休みなど時間があるときはモキモキをやりました。

<高3>
私は塾の授業は、英語、数学ⅠAⅡB、数学ⅢC、物理、化学、倫政チューターをとっていました。特に1学期は、学校と塾の授業以外はほぼ塾のテストに追われて勉強していました。慣れないうちは一気にハードになった塾と、学校の両立で大変でしたが、ひたすら塾のテストで悪い点をとらないよう勉強していたことが、前期中の基礎につながったのだと思います。巖丈志摩ではテストの点数が張り出されるので、これもやる気につながりました。塾の授業に出席するだけでなく、積極的に参加して演習し、できなかったところを復習して、わからないところを先生に聞いて授業についていき、加えて、足りない演習量をメジャーな問題集を解いて補えば、いつのまにか力はつくと思います。

●やる気について
実は私はなんとなく第一志望を東大にしてしまったので、夏休み後半に、なんで私は東大を受けるんだ??と考えはじめてしまい、東大のメリット・デメリットをひたすら調べた時期がありました。それでモチベーションが上がったかというと、正直微妙ですが・・・結局、得意教科が英語と国語だったので、英語の配点が低い東工大にしたらむしろ落ちる気がして東大を受けようと思いました。その結果、「どうしてもこの大学がいい!」という気持ちがあまりなく、モチベーションを上げるのに苦労しました。(第一志望校は高2のうちにちゃんと決めておいた方がいいです) 勉強のやる気がなくなりそうなときは、友達をつかって(?)モチベーションをあげました。やる気の出ない問題集があるときは、表をつくって掲示板にはり、友達にも表をかかせて問題集の進行具合が見れるようにしました。もともと負けず嫌いな性格なので、「○○さんはもうこんなに解いてるんだから私もがんばって追いつかなきゃ」とやる気につながりました。また、自分より勉強ができる人を目標にもしました。私は巖丈志摩でお互い高めあえる友人をつくったことで、成績をあげることができたのだと思います。 それでもどうしてもやる気が出ないときは、とりあえず机について鉛筆を持って書くなど、とにかく勉強する体勢になるようにしました。一度勢いに乗れれば、集中力の続くかぎり、勉強は進むと思います。気晴らしも時には必要ですが、遊びすぎには注意です。自分の経験からいうと、あとでめちゃめちゃ後悔するのでやめた方がいいです。

●授業について
・英語
浅野先生の授業では演習時間中にやったことを黒板にすべてさらけだすべきだと思います。自分ができないところが確認できます。「第1,2,3コンテキストをよめば問題はとけるのか!」とか、「つなぎはやっぱり理解しなくちゃいけない」とか、先生がいつも言っていることがすごく実感できます。1人で勉強してたら絶対感じられません。特にみんなができてて自分ができてないと、ほんとにはずかしいです。実際に私はみんなの前で恥をさらして心から反省したことが何度もありました。私は授業中に一度、英文で答えるところを日本語で答えてしまったことがあり、そのとき一番感じたのは「問題文はちゃんと読む!!」ということでした。この経験があったからこそ、本番で落ち着いて問題文を読んで問題にとりかかれたのだと思います。

・数学
長澤先生;高2冬から高3夏にかけてひたすら先生のモキモキプリントをやりました。基本中の基本から応用までレベルがあるので、ちんぷんかんぷんだった分野もできるようになりました。結局レベル7の途中までやって挫折しました。長澤先生は授業中の解説でも、わからないところは生徒がわかるまで教えてくれる先生です。 角田先生;授業では角田先生の独特のペースに生徒全員が巻き込まれます(笑)授業中に角田先生が受験生のときの話を聞くと、それに比べて自分は勉強不足だなぁとよく感じていました。夏期講習や冬期講習、授業のBX、BYなどの教材は非常に役に立ちました。ただ、後期のBXには数学が苦手な私には手も足も出ない問題が多く、すぐ自信がなくなってしまったので、むしろBYの一度解けなかった問題を解けるように練習しました。BXは結局6割くらいしか手をつけていません・・・

・化学
松田先生の授業を受けてから、化学の勉強の仕方がそれまでと大きく変わりました。以前は「これはこういうものだ!」と決め付けて無理矢理覚えて頭に入れていたことが、松田先生は授業中にそうなる理由をわかりやすく教えてくれるので、すんなり頭に入ってくるようになりました。まったく疑問に思っていなかったことも、先生に言われてはじめて気づくということが多かったです。先生の授業を受けるまで、化学の記述対策なんてどう勉強するのかわからなかったのですが、松田先生の授業を聞いて理解すれば、それが記述対策につながると思います。ただ、先生は便利なツールをたくさん教えてくれますが、それを実際に使えるように練習するのは自分です。私も、できるはずの問題が模試などで出たにもかかわらず、練習不足でできなくて悔しい思いをしたことがあるので、授業を聞くだけでなく、先生のテキストの問題を繰り返し解いて自分のものにすることが大切だと思います。

・物理
佐々木先生の授業は、まさに演習メインという感じです。私ははじめ物理が苦手で、高2の間は本当に基本的な問題しか解いていなかったので、特に学校で未履修の範囲になると演習中にまったく問題が解けなくて落ち込みました。佐々木先生の授業では、わからないまま何もしないで演習時間を終えるより、演習中にわからないところがあったらすぐに先生に聞いたほうが、時間を有効に使えると思います。慣れていない分野では、自分ひとりで考えても、まったく先に進みません。演習中でも先生に質問すれば、納得できるまでていねいに教えてもらえるので、積極的に質問するのがいいと思います。あと、佐々木先生の受験生時代の話を聞くとすごく参考になると思います。

●チューターについて
今年からセンターで「倫理・政経」とかいう科目ができて、社会の暗記が嫌いで、社会の定期テストも一夜漬けしかしたことがなかった私は本当にいやになりましたが、なんとかセンター本番で80点をとれたのはチューターをとっていたおかげです。自分のペースでやっていたら、たぶん倫理ばかりやって政経に手がつかないまま試験をむかえていたと思います。もともとほとんど計画的に物事を進められないタイプだったので、チューターの先生方には本当に感謝しています。正直にいうと2週間に1回あるテストはあるたびに憂鬱になりましたが(笑)、そのおかげでセンターでも目標点数を超えることができました。(直前の12月に河合のセンタープレで42点をたたき出したことは忘れます。)

●主に使用した参考書
・英語・・・基礎英文法問題精巧、基礎長文問題精巧、即戦ゼミ3、ターゲット1900、速読英単語上級編、DUO、キムタツの東大英語リスニング、解体英語構文 *解体英語構文は、高2のときに学校でつかっていたのですが、構文の部分が空欄になっていて覚えやすい上、カラーで、持ち運びがしやすく、長い間使っていました。高3になってからは英語にはあまり時間をかけておらず、授業以外にちゃんとやったのは単語とリスニングくらいです。

・数学・・・塾、学校のプリントのみ
*塾の教材だけで相当な量があるので、それだけで十分だったと思います。復習も考えると、塾で数学ⅠAⅡB、ⅢCを両方とっている現役生の場合、ほかの市販の問題集を解く時間はあまりないと思います。

・化学・・・セミナー化学ⅠⅡ、重要問題集
*これと、松田先生の冊子の問題、先生に後期に見てもらった過去問演習をやりました。あとは直前期に東大の有機のために、「化学ⅠⅡの新演習」で有機の構造決定の部分だけ早く解けるように練習しました。(結局東大の入試では出ませんでしたが・・・)

・物理・・・物理のエッセンス下、名門の森上下、難問題の系統とその解き方
*エッセンスは、はじめ何もわからなかった熱力学と電磁気だけやりました。名門の森と難系をやってから東大の過去問を解くと、少しだけ東大の問題が簡単に思えます。ただ、難系はやり始めた時期がおそかったので、例題を70問くらいしか解けませんでした。それでも物理の成績はだいぶ伸びたと思います。直前の2~3ヶ月で一番伸びた教科でした。

・国語・・・古文単語250(駿台)
*古典は学校で高2まで授業の文章を品詞分解したり、古文単語の小テストが定期的にあったりしたので、それが役にたちました。中学のころ学校でよく論語を音読させられたのも、国語が得意だった理由だと思います。主にセンターと東大の過去問のみ。

*参考書ではありませんが、東大志望の人には東進の東大合格者の体験記の冊子がおすすめです。その人たちが使った参考書や勉強についても参考になり、各教科の得点開示も載っています。私はよくやる気が出ないときに、「自分もこの人たちみたいにちょっと偉そうに合格体験記が書いてみたいなぁ」と思いながら読んでいました(笑)

●最後に
私は東大模試の判定が、
河合(夏)→D
河合(秋)→D
駿台(秋)→C
と悪い判定しか出したことがありませんでした。記述模試は駿台、河合をほとんど受けましたが、それでもA判定はたったの1回でした。また、直前のセンタープレではE判定をだしてしまい、こんなんで受かるんだろうかと不安になりました。それでも志望校を変えずに東大を受けて、合格することができました。模試があるのはせいぜい12月までで、そのあとの2ヶ月で成績はまた大きく変わるので、模試の評定はあまり気にしなくていいと思います。私の場合は、A判定がなかなかでなかった分、むしろ安心できないで勉強に集中できました。なので、模試の判定を基準にして第一志望校を安易に変えるのはよくないと思います。 自習室についてですが、私は友達が近くにいるとしゃべりたくなってしまい落ち着かなかったので、あまり利用していませんでした。授業がない日は家で勉強することが多かったです。それぞれ自分に合った環境で勉強すればいいと思います。

前期試験が終わったあとは、東大に受かった気がせずもう慶応に行く気まんまんだったので、発表当日に自分の番号を見つけたときは信じられませんでした。母と何回も確認しました。受かると思っていなかったので、東大に受かることができて本当に嬉しかったです。 1年間いろいろありましたが、最後まであきらめずがんばりきれたのは、巖丈志摩の先生方、友達のおかげであり、そして勉強の愚痴を聞いてくれて、毎日受験生活を支えてくれた家族のおかげです。本当にありがとうございました。