受験勉強レポート

高校一年生から約2年8カ月間この塾でお世話になりました、S.Aです。
この度、自主公募推薦で第一志望校の慶応義塾大学文学部人文社会学科に進学することとなりました。実際の一般試験を受験したわけではないので、中途半端になってしまうと思いますが、合格が決まった高3の11月末までの勉強方法を記しておこうと思います。少しでもお役に立てたら嬉しいです。

<単語について>
単語テストは、高2で60〜70をずっと行き来していて、正直、あまり力を入れて学習していなかったので、よくいえば安定、悪く言えば伸び悩んでいました。さすがに3月くらいにやばいと思い、合格祝賀会で先輩に「3月中(あと10日)に単語王を一通りやるといい」というアドバイスをいただいたので、10日間で単語王を一周しました。

あとは夏までに高1、高2の時のとってあった単語テストを2,3周レビューし、6月に英検準一級を受験したので、出る順準一級という単語帳と単語王を2,3周しました。出る順は英検を受けない方にもお勧めで、A〜Cまで英検の出る順に章分けされているのですが、時間のある方は一通りやっても知識になるし、C章とかは単語テストにたまにでるマイナーな単語(若殿が一年に2,3回おっしゃる「これはできなくていいっす」ってやつです、例えばquota(割当量)とか、breach(違反)、whiskers(頬髯)とか)がたくさんあるので、楽しいし、単語テストでも実用できます。

私が単語帳でまともにやったのはこの二冊くらいで、ターゲット1900はなんか楽しくなくて途中で辞めたし、学校でDataBaseという単語帳で毎週テストがあったのでそれを軽くみていたくらいです。その代わり、覚えきれなかったものや、授業&補充プリントに出てくる不明語をえるぴー(小さいLP2)で、リズム感よく、長時間の勉強に飽きた時の暇つぶしにやりました。えるぴーに写すときは、アクセント記号を書き、発音も正確に発しながらやると効率がよいです。

私はこのやり方を3,4カ月続けて、高3の夏以降は1回を除いて80点以上をキープできました。特に夏休みは長いし、一日中塾にいることがほとんどだったので、朝7時に来て目覚ましくらいの気持ちで100個くらいをめどにやって、夜帰る前に同じ範囲を復習、翌日の朝は前日の100個+新しい100個というサイクルで毎日やっていました。このやり方だと同じ範囲を最低3回やることになるので覚えやすいと思います。

<英語>
英語は本当に慣れです。私は高2の夏くらいから補充プリントをやったり、単語をやったりしていました。あと、高3になる直前までずっと公文に通っていたので、有名な物語や伝記を英語で読む機会がとても多かったです。高1とか高2の夏前の余裕のあるときなら、日本語で読んだことのある自分の好きなストーリーの一節を読んだりしてみるのもいいと思います。基盤になる速読力と、長文を抵抗なく読む力につながるので、受験期にすぐ長文になじめます。(特に表現とか内容がおもしろかったのはシャーロックホームズの赤毛連盟とレミゼ、赤毛のアンの一節です。)

文法に関してはNext Stageを夏休みに2周して、細かいところまで叩き込みました。その際21章以降のイディオムは時間をかけず、文法のところを中心に進めていたのですが、慶応は簡単な英作文が出るし、慶応の総合政策は60問中40問が長文の空所補充なので、その対策を始めた時にとても役立ちました。イディオムは量が半端ないので、長い時間をかけて自然と覚えていくのが楽です。私は学校でネクステのイディオムテストが高2のころから章ごとに何度も繰り返しであったので、自然と覚えることができました。

あと私は日本語訳をうまく作るのが苦手だったので、英文解釈を夏休みに1日10文(1章5文と2章5文+前日の範囲でできなかったもののやり直し)をやっていました。朝きて単語の次にこれをやると、頭を使うので目も覚めるし、終わるころちょうどお昼ご飯の時間になるのでテンポよく進められました。その際、今まで面倒がっていた共通構文と指示語の確定を必ずやりました。

後々実感したのですが、若殿が授業中おっしゃっている「処理四天王」をしっかり理解していると、たいして対策しなくても英作文の文法的なミスは全くと言っていいほどなくなります。 私は試験の2週間前に焦って英作文対策を始めたのですが、ミスが少なくて自分が一番驚きました。整序英作のワークも並行して行っていたので、ネクステで基盤→和訳と整序で実践確認というサイクルで英語をかためました。

次に赤本研究の話をします。
赤本研究は、8月の頭くらいにあったオリエンテーション後に週1回ずつ、9月からはできれば週2回のペースでやりました。むしろ、夏休み後の英語は赤本研究とたまにもらう補充プリントしかやってなかったくらいかもしれません。(その代わり世界史と小論文に追われていました) 復習は、一度和文を読み、もう一度英文を読みなおして不明語に印をつけ、えるぴーに書き出す程度ですませました。慣れてきたら、設定時間を−20分くらいで設定して、速読力を鍛えたほうがよいです。私は若殿にやれと言われたことは、とりあえず一度やることにしていたので、すぐに赤本研究をはじめましたが、過去問は第一志望にかかわらず、大変貴重なので、基礎ができてないのに解いても意味がないし、もったいないです。早めから赤本に取り組むためにも、春休みや夏休みの7月中には、先述したような自分の弱点強化用の勉強法を確立してください。


実際の本試験を受けていないため、合格・不合格の一覧を提示できないので、参考までに赤本研究のやったところまで(英語だけ)の結果を載せておきます。

◎慶応(文)2006,2007年度
平均 7.75   最高 7.8
○早稲田(文)2007,2008年度
平均 7.85   最高 8.5
○慶応(総政)2008〜2011年度
平均 7.33   最高 8.0
○上智(文)2005,2006,2012,2013年度
平均 7.6    最高 8.3
○立教(文)2011年度
7.6
○慶応(環境)2006,2008年度
平均 7.35   最高 7.7

若殿にやれと言われたことは、とりあえず一度やることにしていた、と言いつつ、基礎英文法問題精巧だけは、高1で入塾してすぐ買ったのですが、なんかレイアウトというか、内容が気に入らなくて、最初の3ページしかやりませんでした。(ターゲット1900も同じような理由です・・・)高3の9月とか10月とかに、英語のやるネタが赤本を除いて尽きてしまったので、若殿にお願いして、やるべき章を指定していただき、4章分くらいだけやりました。もし私と同じように、若殿があんなに推しているにもかかわらず、まだ基礎英文法問題精巧に触れてない方がいれば、自分の弱いところを指定していただいてやるのは結構有効だと思います。(私は通学の電車バスと休み時間に暇つぶし程度の気持ちでやりました。できなかった部分と、初耳な部分だけマーカーをひく、とか)

私のお勧めは、合格体験記にかかれているお勧めの参考書から自分に合いそうなものを買って(私の場合、塾のものをお借りするより、新品を買ったほうがやる気が出たので)、いろいろ手を出さずに何度も繰り返し、授業プリントや赤本で実践するというやりかたです。あちこちやっても中途半端に最後までやらなかったり、出版社によって書き方が違うので混乱してしまうことがありそうなので。

そういえば、ネクステとか、学校で配られたセンター対策の問題集の付属CDをipodに入れて、発音アクセントを聞き流していた時期もありました。ちゃんと聞いていなくても、まるつけしながら口ずさんだり、なんとなく聞き流しても、何度も繰り返し聞いていれば自然と覚えられるものです。

<世界史>
世界史は学校で配られるプリントに、資料集や用語集で調べたことや関連事をスペースがなくなるくらいびっしり書いて、ひたすら覚えました。特に都や戦いの場所は、名称だけでなく地図で場所も確認すると覚えやすいと思います。 上智は地図が絶対といっていいほど出ます。しかもすごくマイナーだったり、川や国境さえ書いてない白地図に何個も点が打ってあるのでわかりにくく、より正確さが求められます。

世紀ごとの勉強もお勧めです。特にセンター試験や早慶のマーク方式の試験では、出来事の並び替えや、横の関係がよく問われます。(例えば、19世紀半ばにイタリアが独立したとき、アメリカは南北戦争がはじまり、ロシアはアレクサンドル2世の治世下、とか) あと教科書で「10世紀の中国では」とか、「フリードリヒ2世はフランス王とともにオーストリア継承戦争を起こした」とか、簡潔に書かれているときも、これは何王朝のことだ、とか、なんとか王だ、とか逐一確認して覚える癖をつけるといいです。

世界史はとにかく、教科書に書いてあることを基盤に、資料集と用語集をつかって掘り下げてねちねちやれば、合格点には届くと思います。同じような問題もたくさん出るので、模試や赤本でやったものは必ずその場で復習してください。私は学校で通史が終わったのが10月末だったので、10月の模試は範囲が間に合わず、できる範囲だけで点数をかせいだし、赤本も現代史が少ないものをピックアップして夏ぐらいからはじめていました。

ちなみに塾では授業はとらず、週4時間の通史と週2時間のセンター用の計6時間の学校の授業で、あとはすべて自学で進めました。

問題集は春休みあたりは基礎固めにZ会のはじめる世界史、偏差値65を超えたあたりからZ会の100題くらいで、あとは授業でZ会やベネッセのセンター予想模試を毎週やったり、自分で赤本を選んだりして、問題を解くよりは暗記を何度もやることに時間を使っていました。
<国語>
国語に関しては全くと言っていいほど、ここに書くようなことはしていません・・・ 第一志望が小論文だったので、現古漢はいつまでたってもやる気が出なかったし、新井先生の授業をとっていたので、そこで毎週ある古文単語のテスト対策に、古文単語だけはきちんとやりました。あと、漢検2級の本を買って、高2の時に常用漢字はかためた気がします。 受験予定校でいうと、早稲田が漢字とかが出たので、記述をかためるより、貴重な一点を確実な漢字でとろうと思っていました。

小論文に関しては、推薦の試験も一般試験も志望校の慶応で必要だったので、夏休みに金子先生の授業をうけ、夏休み中は週2くらいのペースで学校へ行き、国語の先生に添削していただきました。夏休み以降は2週間で書き直し含め一本完成くらいのペースでした。 慶応文の赤本に載っているものを、推薦一般ひととおり解き、言語ネタとか平和ネタとか、実際に似たようなテーマのものが重複してたくさんあったので、本番に出てもすぐに使えるよう、2,3度書き直したものを清書して何度も読むようにしていました。

<役に立った参考書類>
●英語
「毎年出る頻出英作文」 日栄社
「毎年出る頻出英文解釈」日栄社
「英語整序問題精選600」(改訂版)河合出版
「Next Stage」 桐原書店
「ジーニアス英和辞典」
「単語王」
「出る順準一級」


●世界史
「実力をつける世界史100題」 Z会
「はじめる世界史 要点&復習」(改訂版)Z会

●国語
「マドンナ古文単語」
「古文単語330」(新訂版) 文英堂
「古典文法基礎編SPEED攻略10日間」 Z会
「漢文SPEED攻略10日間」 Z会
「漢文の習得」


<最後に>
小中高と一度も受験を経験しなかった私が、その気になればちゃんと必死になって何か一つのことに取り組めるんだと思えた1年であり、巌丈での約3年間でたくさんの素晴らしい方々と出会うことができました。まりさん、浅野先生をはじめとした先生方、生徒のみなさん、大変お世話になりました。貴重な時間をありがとうございました!