受験勉強レポート
W.N(2013年フェリス女学院高校卒業)
こんにちは。この度、一浪し浜松医科大学医学部に進学することとなりましたW.Nといいます。貴重な時間を割いてこの体験記を読む皆さんが、もう一年受験をする、という悪夢を見ることなく無事、自分の納得の行く結果を出すお役に少しでも立てれば幸いです。読みにくい箇所、読んでいてイラッとする箇所が多々あると思いますが、ご了承下さい。
○志望校について
まず、一浪時の結果を書きます。
浜松医科大学医学部(前期) 特待合格
富山大学医学部(後期) 一次合格(二次受けず)
東邦大学医学部 合格
日本医科大学医学部 合格
東京慈恵会医科大学医学部 補欠
昭和大学医学部 補欠
順天堂大学医学部 一次合格
(センター・一般独自併願方式)
日本大学医学部 一次合格(二次受けず)
産業医科大学医学部 一次(センター選抜)合格(二次受けず)
防衛医科大学校 一次不合格
ちなみに、現役時は東邦、昭和、日医、慈恵、順天、女子医を受けましたが、恥ずかしながら全て一次不合格でした。浪人したからには、した意味のある結果を残したいと思い、悩みましたがあえて現役時とほぼ同じ私立大学を受けました。 どの大学を併願するかはとても難しい問題です。自分の気持ちだけで受験校を選べるほど学力的、精神的に余裕のある受験生は中々いないと思いますが、私が受験していて思ったのは、やっぱり、行きたいという気持ちが志望校選びには大事だということです。私は心配性なので、あまり行きたいと思っていない大学も受けたのですが、一次試験や面接を受けている間に、「何か違うな」と感じることが多々ありましたし、そう感じた大学の試験ではやはりやる気も結果も出ませんでした。偏差値や得意科目と言った客観的な要素から志望校を決めるのも勿論、大切ですが、行って後悔しそうな大学を受けるのはあまりお勧め出来ません。お金の無駄です。色々なことを我慢して送った(であろう)受験生活に見合う大学かどうか、願書を送る前に少し踏みとどまり、一度考えてみてはどうでしょうか。
○勉強について
巷には多くの参考書や勉強法があふれています。色々なアドバイスを聞き色々試して、自分に合う参考書、勉強法を模索して下さい。ここで大切なのは、デキル人がやっていたから、良いと言っているから、その参考書や勉強法が成功へと必ず導いてくれる訳ではないということです。当然のことですが、勉強し受験するのは他でもない自分自身ですから、自分が勉強をしていて辛いと思う上に、成績を伸ばす手立てにならないようなものは、たとえ世の中で天才と言われる人がやっていることであろうが、脳科学的に認められていることであろうが、直ぐに止めたほうが良いです。そんなものは勉強ではなく苦行です。また、同じ人であったとしても、学力が上がるなど状況が変われば、合う勉強法も変わってきます。「状況は刻々と変わる」と先生もよくおっしゃいますが、その刻々と変わる状況に合わせて自分のスタイルも変えて行って下さい。 私自身がこの11カ月間、色々試した結果、行っていた勉強法、参考書を書きます。私は大した得意科目もないし特別変わったことをしていた訳でもないと思うので、おそらく他の素晴らしい方々のものの方が参考になるかもしれませんが、一応。
英語:基礎英文法問題精講、即戦ゼミ3番、スコープ2000+、授業プリント、過去問
→まずはENP2の内容を理解し、適応出来るようになることです。文法事項を載せている参考書は多くありますが、正直、市販の参考書を読むとこんがらがってしまう可能性大なので、浅野ワールドに身を任せて、先生のテキストだけを読み理解に努めることをお勧めします。適応については先生が授業中、これでもかと質問してくれるのでそこで訓練して下さい。これはもう、慣れるしかないです。また、自分以外の人が質問された時も心の中で答えたり、他の人の答えが間違っている時にどこが違うか先生がいう前に自分で考えたりすると自然と分かるようになります。
解いた問題の復習は、全約を読みつつ、単語や表現の確認をすると、後になって出てきた時に、正確な役を思い出せなくても、どんな場面で使われていたかとともに記憶に残っているので何となく文の雰囲気を掴むことが出来ます。(覚えるに越したことはないですけど)
重要な文法事項(makeのCにくるものとか)は一冊のノートにまとめると、後でまとめて見られるし、間違えると何度もまとめたページをみることになるので自然と覚えます。
数学:マセマ頻出理系数学、授業プリント、過去問
→中学受験以来のトラウマから、苦手を超えて恐怖心すら抱いている教科なので、とにかく、人並みに解けるようになり本番で足を引っ張らないようにしようと考えました。問題を解く時は、分からなければマセマを使って似た問題の解法を読み、それを参考にして解いて、解答を見る。解答で分かりにくいところがあれば、自分なりの解説をそこに付け加える…という作業を何度も繰り返し行いました。長谷川先生に「量よりも質」と言われていたので、私なりに復習を濃くすることで、一問当たりから得られるものの質を上げようと思った結果です。時間もかかるし、解く量は少なくなりますが、どんな場合にどうすればいいかが段々と分かって行き、どんどん解ける問題の範囲が増えていきました。
化学:フォトサイエンス化学、新演習、橋爪の合格!有機・無機、授業プリント、過去問
→おそらく一番伸びた科目です。前期でひたすら知識を詰めたあとは、問題をひたすら解きました。その中で足りない知識があったら、フォトサイエンスの該当ページに自分で参考書を作るイメージで不足分の知識を書き込んでいきました。また、問題の正誤に関係なく、解いたら一度、頭の中で自分なりに解説をするように答えの確認をし、間違えた問題については新演習でその範囲の問題をもう一度解き直していました。
生物:フォトサイエンス生物、新訂アクセスTU、授業プリント、過去問
→生物は好きな科目で比較的得意だったので、始めから問題を解いては、フォトサイエンスで確認し書き込む、という勉強をしていました。苦手分野は先生に補充プリントをもらったりして、まあとにかく解いていました。
生物は知識をただ詰めるだけと思われがちですが、それでは上位大学には受かれません。一問一答的に覚えるのではなく、その周辺知識とリンクさせて覚えていくと、問題も解きやすくなります。
国語:マドンナ古文単語・古文常識、漢文入門(Z会)、授業プリント、過去問
→国語は190点取ったと思ったら140点を取るといったように、出来不出来の差が激しく、勉強も何をして良いのか分かりませんでした。私の場合、古漢の文章を勘や選択肢操作で読んでしまうのが原因だったので、基礎知識を入れ、文章を文法的に読み取る練習をしました。ヨスケさんのアドバイスもあり、動作の主体、客体をはっきりさせること、選択肢を分けてその中のキーワードを中心に正誤を見分けることを意識した結果、成績は安定しました。(本番では、時間が足りなくなってしまい、悲惨な結果を残してしまいましたが笑)
小論文は金子先生の授業で十分だと思います。少なくとも私は、先生の授業以外何も対策をしていませんでしたが、面接時に試験官に小論文を褒められるくらいには見苦しくないものを書けていたみたいなので。
倫理:分かりやすい倫理、一問一答、資料集、過去問
→倫理は一番好きな科目でやっていて楽しかったので、他の科目に疲れた時などによく参考書を読んでいました。基本的にはヨスケさんの授業を聞きながら、自分なりに参考書への書き込みを行い、一問一答にも記述不足があれば補っていました。倫理は思想家同士の類似点、相違点を意識して勉強すると、センターの問題くらいなら解けるようになります。また、名前は忘れてしまったのですが巖丈志摩にある倫理資料集の中に、著書の抜粋が多く載っているものがあるのですが、それを読むと理解がよりしやすくなります。
政経:分かりやすい政経、一問一答、センターへの道、過去問
→政経も倫理とやっていたことはだいたい同じですが、倫理よりも問題を多く解きました。政経は覚えることが多いので、問題の数をこなし、慣れこむようにしていました。政治では同じテーマごとに年表やまとめをすると時代の流れをつかめ、正誤弁別がやり易くなるし、経済では身近な例を使って考えるとインフレや円高などの判別問題が解きやすくなります。
ちなみに、政経は年代が古い過去問を使うと今では答えが異なる場合があるので、解答解説を鵜呑みにせず、自分で一回参考書を使って調べた方がいいです。
○睡眠について
当然のことですが、人間、十分な睡眠を取らなければ集中力も注意力も下がり、そんな状態でした勉強はどんなに時間をかけようと、身に付きません。私は、自習中、眠くなり、文字の読み違えや初歩的な計算ミスなどの単純なミスを2回したら、勉強を中断して昼寝をしていました。またお腹が空いた時も同様におやつ休憩をしました。一見、サボっているように見えますが、この方が効率よく頭に内容が入っていきました。
ちょっと休憩してでも、なるべく疲れていない状態できちんと集中して勉強した方が、だらだらと机に向かって勉強するよりも時間を有効に使えます。勉強は時間でも量でもなく、質です。よく寝て、よく食べることこそ、実は受験の中で一番忘れがち、だけれども一番大切なことと思います。
私は夜11時過ぎには寝て7時過ぎには起きていましたし、昼寝もよくしていました(胸を張れることではありませんが)。また、試験本番でも、全ての休み時間、マフラーを枕にして寝ていました。が、特に勉強やテストに支障が出たことはありません。疲れたら少し昼寝をする勇気も必要です。
○読書について
特に浪人の人には読書をして欲しいです。人間、勉強ばかりしていると逆に馬鹿になります。読書をすると、頭がクールダウンし、無造作に詰め込まれた知識が整理されます。
読む本は、何も高尚な哲学書などでなくてもよく、自分が興味を持ったものなら何でも良いと思います。本は内容によっては小論文や英語、国語を解く手掛かりにもなりますし、とにかく読んで損はありません。私は1、2月ごろも本を読んでいました。ちなみに、巖丈志摩にある本で特におすすめなのは、「森の聖者」「永遠のジャック・アンド・ベティ」「政治家は悪党にかぎる」の三冊です。どちらも面白く、勉強そっちのけで読んでしまいました。
○防衛医大について
私は防衛医大の試験日前に風邪を引き、当日、鼻をティッシュで抑えながらテストを受け、結果一次すら通りませんでした。体調不良以前に、問題を解いていても出来ていない自覚はあったので、試験後泣いていたのですが、いざ不合格を知らされると、恥ずかしながら先生や後輩の前で嗚咽を漏らし、両鼻から鼻血を出して泣きました。(さすがの浅野先生もこれには驚いていました)誰よりも防衛医大の不合格を悔しがったと思います。
というのも、試験前の模試の成績は中々良かったし、過去問の出来も手ごたえがあったので、受かるかもしれないと心のどこかで期待していたのに加え、姉が一浪時に防衛医大の一次試験に受かっていたので、どうしても防衛医大に受かりたかったのです。しかし、結果は不合格。この時ばかりは挫折を感じました。自分は自惚れていた、ただのバカだったと心底思いました。それと同時にもしかしたら勉強しても、自分は受からないのかもしれないとも思いました。しかし、ここで負けてたまるかと思い、防衛医大に受からなくても私立医学部だって、国立医学部だって受かるってことを証明してやると、ふやけていた自分を奮い立たせるきっかけになったので、結果論ではありますが、私の場合、防衛医大に落ちたからこそ、この結果が出たのだと思います。
巖丈志摩の理系受検者は、防衛医大を受けることとなると思いますが、受けるなら本気で合格を取りに行って下さい。本気でやれば、受かっても落ちても、良くも悪くも自分を変えることとなります。特に、医学部志望者は防衛医大に是非受かって下さい。医学部受検者にとって防衛医大合格がいかに重要で有益か、「受かっていれば…」という場面に多々遭遇したのでそれを書きます。浅野先生にも言われましたが、これを書くために体験記を書いているといっても過言ではありません。医学部受験でない皆さんも、要となる受験校不合格の重さを知るには良い機会かもしれないので、良かったら読んで下さい。
防衛医大に受かれば自信がつくというのは、勿論誰もが想像に易いことだと思います。しかし、それは裏を返せば、合格しようと勉強して落ちた場合、自信を失うということです。私は後者で、防衛医大で自信をなくし、当初は受けるつもりでなかった順天、昭和、日大、産業医大を受け、挑戦しようかなと思っていた慶応を受けるのを辞めました。思いとどまりましたが、こっそり薬学部を受けようかとも思いました。国立に関しても、自分の二次力に自信が持てず、センター成績的にはチャレンジ出来ると面談で話に出た横市や千葉大、筑波大などを受けるのに腹をくくれませんでした。現状に不満は全くありません。しかし浅はかかもしれませんが、もし防衛医大に受かっていればと思うのは事実です。
また、私は私立に入学金を入れてしまうか、他の私立や国立の合格に賭けるかどうかでもだいぶ悩みました。私立医学部は発表が早く、他の大学の結果が分かる前に納金期限を設けており、納金後に辞退した場合の非返金額も他学部とはケタが一桁違います。どれくらいかというと、それだけで国立に2〜3年通えるほどの額です。この決断は自分自身の人生を左右するのは勿論、家族に大きな負担をかけることとなります。結局、両親に頼み、入金してもらったのですが、もし防衛医大に受かっていれば入金することもなく、お金を無駄にすることもありませんでした。ちなみにこの払うか否か問題を私は3回経験しています。精神的に凄く疲れました。夜夢に出るほど悩みました。
勿論、防衛医大に受かるのは下手な私立医学部に受かるよりはるかに難しいことですが、結果はどうであれ、合格を目指して努力をすれば見えてくるものがあります。(こればかりは経験してみないと分からないものです)絶対に無駄にはならないので、防衛医大を受けることになったら本気で受けて下さい。
○現役生の方へ
現役で受かるに越したことはありません。初めのうちは上手く成績が伸びず、一年、またはそれ以上多く勉強している浪人生相手にめげてしまいそうになることが多々あるかもしれませんが、そんなことは気にしても気にやまず、しっかり自分のペースで勉強していって下さい。たとえ難関大学でも浪人生の合格率の方が高くても、現役生が合格できないということはないのです。一浪くらい…という思想は絶対持たないで下さい。その甘えが命取りになりますし、そういう人は一浪しても受かりません。
○浪人生の方へ
もう一年やると決まったからには、浪人した意味のある一年にしましょう。浪人では授業があるものの現役時代よりも自由に使える時間が多くなります。つまり、自分で自分を管理しなくてはいけません。これは浅野先生に言われたことですが、自分を実験動物のように扱って下さい。また、浪人生は伸びないとよく言われますが、それは嘘です。やることをやれば、ちゃんと伸びます。私は、浪人して総合偏差値は最大で10伸びたし、センターも100点近く伸びました。周りから「浪人生は…」と決め付けられることが、これから先あるかもしれませんが、真に受ける必要はありません。アドバイスとは言えないような周りの雑音は撥ね退けて下さい。
○最後に
さて、長々と偉そうに体験記を書いてきましたが、私が伝えたいのは凡人でもやることをやれば報われるのが受験だということです。単語テストで100点なんて取れなかったし、数学をやろうと思うと手に汗をかくし、化学を解きながら偉大な先人に対して何故この法則見つけちゃったんだよと思うし、生物の図表を見て意識が遠のきそうになるし、風流心がなくて和歌に詠まれた心が分からないし、倫政の教科書を読んでいて気付いたら眠っているし、お腹が空いたら夜8時には家に帰るし、得意科目はないし…と凡人以下かもしれない私だって、合格出来たのです。受験に特別な才能はいらないのです。勿論、努力した人皆が報われる訳ではありませんが、報われている人は、すべからくその人に見合ったやるべきことをしています。自分のやるべきことをしっかりやりましょう。結果が出ないとしたら、その原因の1割は運、あとの9割はすべきことをしていなかった自分の甘さです。
一緒に勉強してきた浪人生の皆、刺激を与えてくれた現役生の皆、美味しい手料理やお菓子を恵んで下さったマリさん、何時間でも議論に付き合って下さり若さを教えて下さった浅野先生をはじめとする素晴らしい先生方、そして身うちの不幸など大変なことが多くあった中でも浪人生活を支え協力してくれた父、母、兄、姉の存在がなかったら、私はこの結果を出すことが出来なかったと思います。この場を借りてお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。
これで私の体験記を終わります。受験生の皆さんが自分の納得のいく結果を出せるよう、祈っています。
こんにちは。この度、一浪し浜松医科大学医学部に進学することとなりましたW.Nといいます。貴重な時間を割いてこの体験記を読む皆さんが、もう一年受験をする、という悪夢を見ることなく無事、自分の納得の行く結果を出すお役に少しでも立てれば幸いです。読みにくい箇所、読んでいてイラッとする箇所が多々あると思いますが、ご了承下さい。
○志望校について
まず、一浪時の結果を書きます。
浜松医科大学医学部(前期) 特待合格
富山大学医学部(後期) 一次合格(二次受けず)
東邦大学医学部 合格
日本医科大学医学部 合格
東京慈恵会医科大学医学部 補欠
昭和大学医学部 補欠
順天堂大学医学部 一次合格
(センター・一般独自併願方式)
日本大学医学部 一次合格(二次受けず)
産業医科大学医学部 一次(センター選抜)合格(二次受けず)
防衛医科大学校 一次不合格
ちなみに、現役時は東邦、昭和、日医、慈恵、順天、女子医を受けましたが、恥ずかしながら全て一次不合格でした。浪人したからには、した意味のある結果を残したいと思い、悩みましたがあえて現役時とほぼ同じ私立大学を受けました。 どの大学を併願するかはとても難しい問題です。自分の気持ちだけで受験校を選べるほど学力的、精神的に余裕のある受験生は中々いないと思いますが、私が受験していて思ったのは、やっぱり、行きたいという気持ちが志望校選びには大事だということです。私は心配性なので、あまり行きたいと思っていない大学も受けたのですが、一次試験や面接を受けている間に、「何か違うな」と感じることが多々ありましたし、そう感じた大学の試験ではやはりやる気も結果も出ませんでした。偏差値や得意科目と言った客観的な要素から志望校を決めるのも勿論、大切ですが、行って後悔しそうな大学を受けるのはあまりお勧め出来ません。お金の無駄です。色々なことを我慢して送った(であろう)受験生活に見合う大学かどうか、願書を送る前に少し踏みとどまり、一度考えてみてはどうでしょうか。
○勉強について
巷には多くの参考書や勉強法があふれています。色々なアドバイスを聞き色々試して、自分に合う参考書、勉強法を模索して下さい。ここで大切なのは、デキル人がやっていたから、良いと言っているから、その参考書や勉強法が成功へと必ず導いてくれる訳ではないということです。当然のことですが、勉強し受験するのは他でもない自分自身ですから、自分が勉強をしていて辛いと思う上に、成績を伸ばす手立てにならないようなものは、たとえ世の中で天才と言われる人がやっていることであろうが、脳科学的に認められていることであろうが、直ぐに止めたほうが良いです。そんなものは勉強ではなく苦行です。また、同じ人であったとしても、学力が上がるなど状況が変われば、合う勉強法も変わってきます。「状況は刻々と変わる」と先生もよくおっしゃいますが、その刻々と変わる状況に合わせて自分のスタイルも変えて行って下さい。 私自身がこの11カ月間、色々試した結果、行っていた勉強法、参考書を書きます。私は大した得意科目もないし特別変わったことをしていた訳でもないと思うので、おそらく他の素晴らしい方々のものの方が参考になるかもしれませんが、一応。
英語:基礎英文法問題精講、即戦ゼミ3番、スコープ2000+、授業プリント、過去問
→まずはENP2の内容を理解し、適応出来るようになることです。文法事項を載せている参考書は多くありますが、正直、市販の参考書を読むとこんがらがってしまう可能性大なので、浅野ワールドに身を任せて、先生のテキストだけを読み理解に努めることをお勧めします。適応については先生が授業中、これでもかと質問してくれるのでそこで訓練して下さい。これはもう、慣れるしかないです。また、自分以外の人が質問された時も心の中で答えたり、他の人の答えが間違っている時にどこが違うか先生がいう前に自分で考えたりすると自然と分かるようになります。
解いた問題の復習は、全約を読みつつ、単語や表現の確認をすると、後になって出てきた時に、正確な役を思い出せなくても、どんな場面で使われていたかとともに記憶に残っているので何となく文の雰囲気を掴むことが出来ます。(覚えるに越したことはないですけど)
重要な文法事項(makeのCにくるものとか)は一冊のノートにまとめると、後でまとめて見られるし、間違えると何度もまとめたページをみることになるので自然と覚えます。
数学:マセマ頻出理系数学、授業プリント、過去問
→中学受験以来のトラウマから、苦手を超えて恐怖心すら抱いている教科なので、とにかく、人並みに解けるようになり本番で足を引っ張らないようにしようと考えました。問題を解く時は、分からなければマセマを使って似た問題の解法を読み、それを参考にして解いて、解答を見る。解答で分かりにくいところがあれば、自分なりの解説をそこに付け加える…という作業を何度も繰り返し行いました。長谷川先生に「量よりも質」と言われていたので、私なりに復習を濃くすることで、一問当たりから得られるものの質を上げようと思った結果です。時間もかかるし、解く量は少なくなりますが、どんな場合にどうすればいいかが段々と分かって行き、どんどん解ける問題の範囲が増えていきました。
化学:フォトサイエンス化学、新演習、橋爪の合格!有機・無機、授業プリント、過去問
→おそらく一番伸びた科目です。前期でひたすら知識を詰めたあとは、問題をひたすら解きました。その中で足りない知識があったら、フォトサイエンスの該当ページに自分で参考書を作るイメージで不足分の知識を書き込んでいきました。また、問題の正誤に関係なく、解いたら一度、頭の中で自分なりに解説をするように答えの確認をし、間違えた問題については新演習でその範囲の問題をもう一度解き直していました。
生物:フォトサイエンス生物、新訂アクセスTU、授業プリント、過去問
→生物は好きな科目で比較的得意だったので、始めから問題を解いては、フォトサイエンスで確認し書き込む、という勉強をしていました。苦手分野は先生に補充プリントをもらったりして、まあとにかく解いていました。
生物は知識をただ詰めるだけと思われがちですが、それでは上位大学には受かれません。一問一答的に覚えるのではなく、その周辺知識とリンクさせて覚えていくと、問題も解きやすくなります。
国語:マドンナ古文単語・古文常識、漢文入門(Z会)、授業プリント、過去問
→国語は190点取ったと思ったら140点を取るといったように、出来不出来の差が激しく、勉強も何をして良いのか分かりませんでした。私の場合、古漢の文章を勘や選択肢操作で読んでしまうのが原因だったので、基礎知識を入れ、文章を文法的に読み取る練習をしました。ヨスケさんのアドバイスもあり、動作の主体、客体をはっきりさせること、選択肢を分けてその中のキーワードを中心に正誤を見分けることを意識した結果、成績は安定しました。(本番では、時間が足りなくなってしまい、悲惨な結果を残してしまいましたが笑)
小論文は金子先生の授業で十分だと思います。少なくとも私は、先生の授業以外何も対策をしていませんでしたが、面接時に試験官に小論文を褒められるくらいには見苦しくないものを書けていたみたいなので。
倫理:分かりやすい倫理、一問一答、資料集、過去問
→倫理は一番好きな科目でやっていて楽しかったので、他の科目に疲れた時などによく参考書を読んでいました。基本的にはヨスケさんの授業を聞きながら、自分なりに参考書への書き込みを行い、一問一答にも記述不足があれば補っていました。倫理は思想家同士の類似点、相違点を意識して勉強すると、センターの問題くらいなら解けるようになります。また、名前は忘れてしまったのですが巖丈志摩にある倫理資料集の中に、著書の抜粋が多く載っているものがあるのですが、それを読むと理解がよりしやすくなります。
政経:分かりやすい政経、一問一答、センターへの道、過去問
→政経も倫理とやっていたことはだいたい同じですが、倫理よりも問題を多く解きました。政経は覚えることが多いので、問題の数をこなし、慣れこむようにしていました。政治では同じテーマごとに年表やまとめをすると時代の流れをつかめ、正誤弁別がやり易くなるし、経済では身近な例を使って考えるとインフレや円高などの判別問題が解きやすくなります。
ちなみに、政経は年代が古い過去問を使うと今では答えが異なる場合があるので、解答解説を鵜呑みにせず、自分で一回参考書を使って調べた方がいいです。
○睡眠について
当然のことですが、人間、十分な睡眠を取らなければ集中力も注意力も下がり、そんな状態でした勉強はどんなに時間をかけようと、身に付きません。私は、自習中、眠くなり、文字の読み違えや初歩的な計算ミスなどの単純なミスを2回したら、勉強を中断して昼寝をしていました。またお腹が空いた時も同様におやつ休憩をしました。一見、サボっているように見えますが、この方が効率よく頭に内容が入っていきました。
ちょっと休憩してでも、なるべく疲れていない状態できちんと集中して勉強した方が、だらだらと机に向かって勉強するよりも時間を有効に使えます。勉強は時間でも量でもなく、質です。よく寝て、よく食べることこそ、実は受験の中で一番忘れがち、だけれども一番大切なことと思います。
私は夜11時過ぎには寝て7時過ぎには起きていましたし、昼寝もよくしていました(胸を張れることではありませんが)。また、試験本番でも、全ての休み時間、マフラーを枕にして寝ていました。が、特に勉強やテストに支障が出たことはありません。疲れたら少し昼寝をする勇気も必要です。
○読書について
特に浪人の人には読書をして欲しいです。人間、勉強ばかりしていると逆に馬鹿になります。読書をすると、頭がクールダウンし、無造作に詰め込まれた知識が整理されます。
読む本は、何も高尚な哲学書などでなくてもよく、自分が興味を持ったものなら何でも良いと思います。本は内容によっては小論文や英語、国語を解く手掛かりにもなりますし、とにかく読んで損はありません。私は1、2月ごろも本を読んでいました。ちなみに、巖丈志摩にある本で特におすすめなのは、「森の聖者」「永遠のジャック・アンド・ベティ」「政治家は悪党にかぎる」の三冊です。どちらも面白く、勉強そっちのけで読んでしまいました。
○防衛医大について
私は防衛医大の試験日前に風邪を引き、当日、鼻をティッシュで抑えながらテストを受け、結果一次すら通りませんでした。体調不良以前に、問題を解いていても出来ていない自覚はあったので、試験後泣いていたのですが、いざ不合格を知らされると、恥ずかしながら先生や後輩の前で嗚咽を漏らし、両鼻から鼻血を出して泣きました。(さすがの浅野先生もこれには驚いていました)誰よりも防衛医大の不合格を悔しがったと思います。
というのも、試験前の模試の成績は中々良かったし、過去問の出来も手ごたえがあったので、受かるかもしれないと心のどこかで期待していたのに加え、姉が一浪時に防衛医大の一次試験に受かっていたので、どうしても防衛医大に受かりたかったのです。しかし、結果は不合格。この時ばかりは挫折を感じました。自分は自惚れていた、ただのバカだったと心底思いました。それと同時にもしかしたら勉強しても、自分は受からないのかもしれないとも思いました。しかし、ここで負けてたまるかと思い、防衛医大に受からなくても私立医学部だって、国立医学部だって受かるってことを証明してやると、ふやけていた自分を奮い立たせるきっかけになったので、結果論ではありますが、私の場合、防衛医大に落ちたからこそ、この結果が出たのだと思います。
巖丈志摩の理系受検者は、防衛医大を受けることとなると思いますが、受けるなら本気で合格を取りに行って下さい。本気でやれば、受かっても落ちても、良くも悪くも自分を変えることとなります。特に、医学部志望者は防衛医大に是非受かって下さい。医学部受検者にとって防衛医大合格がいかに重要で有益か、「受かっていれば…」という場面に多々遭遇したのでそれを書きます。浅野先生にも言われましたが、これを書くために体験記を書いているといっても過言ではありません。医学部受験でない皆さんも、要となる受験校不合格の重さを知るには良い機会かもしれないので、良かったら読んで下さい。
防衛医大に受かれば自信がつくというのは、勿論誰もが想像に易いことだと思います。しかし、それは裏を返せば、合格しようと勉強して落ちた場合、自信を失うということです。私は後者で、防衛医大で自信をなくし、当初は受けるつもりでなかった順天、昭和、日大、産業医大を受け、挑戦しようかなと思っていた慶応を受けるのを辞めました。思いとどまりましたが、こっそり薬学部を受けようかとも思いました。国立に関しても、自分の二次力に自信が持てず、センター成績的にはチャレンジ出来ると面談で話に出た横市や千葉大、筑波大などを受けるのに腹をくくれませんでした。現状に不満は全くありません。しかし浅はかかもしれませんが、もし防衛医大に受かっていればと思うのは事実です。
また、私は私立に入学金を入れてしまうか、他の私立や国立の合格に賭けるかどうかでもだいぶ悩みました。私立医学部は発表が早く、他の大学の結果が分かる前に納金期限を設けており、納金後に辞退した場合の非返金額も他学部とはケタが一桁違います。どれくらいかというと、それだけで国立に2〜3年通えるほどの額です。この決断は自分自身の人生を左右するのは勿論、家族に大きな負担をかけることとなります。結局、両親に頼み、入金してもらったのですが、もし防衛医大に受かっていれば入金することもなく、お金を無駄にすることもありませんでした。ちなみにこの払うか否か問題を私は3回経験しています。精神的に凄く疲れました。夜夢に出るほど悩みました。
勿論、防衛医大に受かるのは下手な私立医学部に受かるよりはるかに難しいことですが、結果はどうであれ、合格を目指して努力をすれば見えてくるものがあります。(こればかりは経験してみないと分からないものです)絶対に無駄にはならないので、防衛医大を受けることになったら本気で受けて下さい。
○現役生の方へ
現役で受かるに越したことはありません。初めのうちは上手く成績が伸びず、一年、またはそれ以上多く勉強している浪人生相手にめげてしまいそうになることが多々あるかもしれませんが、そんなことは気にしても気にやまず、しっかり自分のペースで勉強していって下さい。たとえ難関大学でも浪人生の合格率の方が高くても、現役生が合格できないということはないのです。一浪くらい…という思想は絶対持たないで下さい。その甘えが命取りになりますし、そういう人は一浪しても受かりません。
○浪人生の方へ
もう一年やると決まったからには、浪人した意味のある一年にしましょう。浪人では授業があるものの現役時代よりも自由に使える時間が多くなります。つまり、自分で自分を管理しなくてはいけません。これは浅野先生に言われたことですが、自分を実験動物のように扱って下さい。また、浪人生は伸びないとよく言われますが、それは嘘です。やることをやれば、ちゃんと伸びます。私は、浪人して総合偏差値は最大で10伸びたし、センターも100点近く伸びました。周りから「浪人生は…」と決め付けられることが、これから先あるかもしれませんが、真に受ける必要はありません。アドバイスとは言えないような周りの雑音は撥ね退けて下さい。
○最後に
さて、長々と偉そうに体験記を書いてきましたが、私が伝えたいのは凡人でもやることをやれば報われるのが受験だということです。単語テストで100点なんて取れなかったし、数学をやろうと思うと手に汗をかくし、化学を解きながら偉大な先人に対して何故この法則見つけちゃったんだよと思うし、生物の図表を見て意識が遠のきそうになるし、風流心がなくて和歌に詠まれた心が分からないし、倫政の教科書を読んでいて気付いたら眠っているし、お腹が空いたら夜8時には家に帰るし、得意科目はないし…と凡人以下かもしれない私だって、合格出来たのです。受験に特別な才能はいらないのです。勿論、努力した人皆が報われる訳ではありませんが、報われている人は、すべからくその人に見合ったやるべきことをしています。自分のやるべきことをしっかりやりましょう。結果が出ないとしたら、その原因の1割は運、あとの9割はすべきことをしていなかった自分の甘さです。
一緒に勉強してきた浪人生の皆、刺激を与えてくれた現役生の皆、美味しい手料理やお菓子を恵んで下さったマリさん、何時間でも議論に付き合って下さり若さを教えて下さった浅野先生をはじめとする素晴らしい先生方、そして身うちの不幸など大変なことが多くあった中でも浪人生活を支え協力してくれた父、母、兄、姉の存在がなかったら、私はこの結果を出すことが出来なかったと思います。この場を借りてお礼を言いたいと思います。本当にありがとうございました。
これで私の体験記を終わります。受験生の皆さんが自分の納得のいく結果を出せるよう、祈っています。